vol.24 ハワイで覚醒!タイへ弾丸!篇
2018年02月10日 16:00
今回のゲストは、アマゾン釣行が夢だという今野さん( 大阪府在住:以下、Nさん )です。
アマゾンへ行く前に、まずは身近に行ける海外としてトライしてきたハワイのピーコックバス、
タイの釣り堀やダム湖のトーマンの釣り、そしてアマゾンへの熱い思いについて伺いました。
* 今野さんは、vol.23ゲストの池尻さんにご紹介いただきました。ありがとうございました。
* トーマン、タイのチャオランダムにて
インタビュアー 工藤( 以下、K ) 2017年11月25日
K:
今日は週末の夜という貴重なお時間をいただいてありがとうございます。久々の女性アングラーということで楽しみにしていました。
さて早速なんですが、そもそも釣りとの出会いはどんな感じだったのでしょうか?
Nさん:
こちらこそ、よろしくお願いします。釣りとの出会いは、10年ほど前に家族で日本海の方へ旅行に行ったんですね。
ゴールデンウィークだったと思いますが。で、海で釣りしてみようということになって。
漁港なんですが、日本海はきれいなので魚が見えるんですね。
道具をどうやって用意したかはよく覚えていないのですが、エサ釣りを楽しみました。
K:
魚がエサに食いつくところが見えるわけですよね?それは興奮しますよね。
Nさん:
はい。とても楽しくって。子どものころに何らかの接点はあったとは思いますが、
大人になってからはそれが釣りを本格的に始めるきっかけになりました。
主人は趣味でバス釣りをしたり、たまに海へ行ったりするぐらいはやっていたのですが
これを機に楽しかったので日曜日とかにまた一緒に釣りへ行こうというようになっていきました。
初めは、同じように漁港とかに行って、安い竿でアミエビとかのエサ釣りをやりました。
それが最初ですね。明石や淡路島などへよく通いました。で、だんだんとはまっていって、ルアーとかも始めたりとか。
* 淡路島にて
K:
いいですね~ ご主人と二入で釣りに行くようになるなんて。
私の家では、妻とはまったく趣味の時間は共有しておりません( 笑 )。エサ釣りの次にルアーをやるようになったということですが
ルアーってそんなに難しい釣りではないけど、ハードルってあるじゃないですか。そこは誰か導いてくれたりとか、あったのでしょうか?
Nさん:
いや、主人と「 アミエビは手が臭くなるけど、ワームなら臭くならないねって 」話していて。見よう見まねで始めてましたね。
アジングとかを雑誌やテレビなどからの情報で学んで。あと、ガシラとかもワームで釣ったりとか。
すっかり釣りにはまったのは、結構大きい魚がたまたま釣れたりとかもあるんですよね。
最初のエサ釣りのときもウミタナゴだったかな、大きいのが釣れて。周りの人が「え~!こんなの釣れるんだ!」って寄ってきたりとか。
そういうことが重なったことも、どんどんはまっていった要因かなって。
* 淡路島にて
K:
なるほど~
いわゆる" 持っている "っていうことだと思いますよ。釣り運を!
最初の釣り体験で不運にもいい思いができずに、止めてしまう人って多いと思うんですよね。
私の場合は、最初の数年はほとんど釣れなかったんですけどね。それでも止めなかったのは、しつこいというか。ドMというか。
特殊なケースと思います( 笑 )。最初から釣れる方がいいに決まってますから。ところで、釣りはその後も海釣り中心でしょうか?
Nさん:
淡路島に野池がありまして。主人はバス釣りが好きなので。
夕方からアジを釣って、朝からバス釣ってみたいな。狂ったような釣りを二人でしていたりという時期もありました( 笑 )。
* 淡路島にて
K:
ははは~ いや~ 海と淡水とを同じ日に釣りするなんて。釣り人にとっては、夢のような時間じゃないでしょうか!
Nさん:
最初はバスにはあまり興味が持てなくて。一魚種のために、何が楽しいのっていうイメージだったんですね。
でも主人が夕まず目だったら岸に魚が寄ってくるから、このジャッカルのルアー( フリックシェイク )なら絶対釣れるからって。
それで釣れて、すっかり面白くなりましたね。それと、バスはいろいろと釣り方があるじゃないですか。
どうやったら釣れるのかを釣り専門誌とか読んで調べて。それを自分なりに考えて釣り場で試してみると、本当に釣れたりとか。
自分なりに考えたら釣れるんだってわかってくるとルアーがさらに楽しくなってきて。それからは、ずーっとバス釣りをやってましたね。
* 淡路島にて
K:
ご夫婦で釣りにはまっていったっていうのはいいですね。一人だったら、そこまで釣りの世界が広がらなかったかもしれませんよね。
お二人で話し合ったみたり、ご主人からアドバイスがあったりとか。
Nさん:
そうですね。でも、主人はあんまり教えてくれなかったんですよね。
クランクとかハードルはどの深さがいいとかを聞くと、自分で考えろというか調べろっていう感じで。
タックルベリーに一緒に行ったときに、私がリップの長いやつを選んできて買った後に見せ合って
「なんでそんなに深いためのルアーを買ってんの?」って言われて。私には理解できなかったのですが、行こうとしている
釣り場の水深には合わなかったようなんですね。
K:
買う前に言ってよ!って感じですよね( 笑 )。
Nさん:
そうそう、そうですよね!で、文句を言ったら、自分で考えろって言うんですよね。
ちょっとケンカみたいになって、すっごい腹が立って。絶対二度と聞かないぞ!負けないぞって思いましたね( 笑 )。
K:
ははは~ 微笑ましいストーリーばかりじゃないわけですね。
Nさん:
今でこそ、いろいろと話し合ったりしますけど。
K:
あるレベルまでの成長の過程では厳しさもあったという( 笑 )。それはそれでいい話だし、面白いですよね。
今もお二人で釣りはよくされているのでしょうか?
Nさん:
主人が仕事の都合で岩手に単身赴任するようになって、今現在は別々に釣りをしていることが多くなっていまして。
ただ、主人と離れて一人になったために釣りの仲間や友人をつくったりして釣りの幅も広がってきていますね。
川でのシーバス釣りとか。
K:
そうなんですか。釣り関係のご友人とか、具体的にはどのように開拓されていったのでしょうか?
Nさん:
それが海外にもつながる話になるのですが。主人と二人でバス釣りしている頃にピーコックバスという存在を知りまして。
イマカツの今江さんがアマゾンでピーコックバスを釣るというDVDを見て、引きはバスより断然上ですごいという話をしていて。
こんな魚がいるんだ!絶対に釣りたいと思ったんですけど、アマゾンって遠いじゃないですか。
K:
そうですよね~
Nさん:
それと、アマゾンってテレビでしか見たことのない、簡単には行けない怖いところっていうイメージもその時はあって。
で、他にピーコックバスが釣れる場所がないかと探したら、ハワイのウィルソン湖というところで釣れるという情報を得まして。
主人と二人で行くことに。それが初めての海外の釣り旅だったんですね。で、ここでまたしても、私にでかいのが釣れて。
* 初の海外釣行。ハワイのウィルソン湖にて。
K:
ははは~ 多いんですよね~ そういうケース。
私も海外で何度もご夫婦で来られている釣り人とご一緒していますが、奥さんのほうが最初にターゲットの魚を釣ったり、
あるいは大きい魚を釣ったりっていうことが本当に多い。で、そのラッキーな海外初釣りはどんな具合だったのでしょう?
Nさん:
はい。嬉しいことに、ハードルアーで釣れたんですね。
見えているペアの魚がいたのですが、2回目にキャストしたルアーがいいところに入って。で、ルアーを引いてくるところに、
ものすごいバイトが見えて。ほぼトップで食うところが。なんか、震えました!引きもすごくて。
とにかく必死でしたね。私もガイドも興奮しているし。何とか釣り上げたあとも震えが止まらない!
K:
震えますよね~ 初海外で、初の大物で!
Nさん:
震えて感激したあとはぐったり。それから1時間ほど釣りをしたのですが、よく覚えていない( 笑 )。
そんなとてもいい思い出ができたことで、ますますアマゾンでピーコックバスを釣りたいと思いが強くなったのか、
いろいろとネットとかでさらに調べるようになって。そんなときにSNSでテルさんという方を知ったんですね。ボンバダの。
当時アマゾン会というのがあって、その会をやるということをSNSで知り、ぜひ参加して実際にアマゾンに行った方の話を
直接聞きたいって思ったんですね。
K:
いいですね。アマゾンに行かれた釣り人ばかりが集まっているでしょうから、刺激的な話が聞けそうですよね!
Nさん:
はい。ところが、待てども待てどもアマゾン会開催の知らせは来ない。。。
K:
あら~ それは焦りますよね。じっと待つしかないかと。
Nさん:
はい。でも、それがあることをきっかけに願いが叶いました。
テルさんとはSNSでつながってはいて、私の存在は認識はしてくれていたようなんですね。
女性でアマゾンに興味を持つことが珍しかったのか。
それで、あるときにテルさんがある店に食べに来ていますっていうような投稿をされたのを見まして。
で、テルさんと親しそうだったそのお店のシェフと連絡を取ったりなどした後にある方を介して、
テルさん本人とやっと会うことができまして。それをきっかけに、ばーっと釣り仲間も広がっていったんですね。
K:
へぇ~ すごい行動力ですよね! 釣り仲間も増えると釣りの世界も広がりますよね。
Nさん:
そうですね。テルさんからは、アマゾンに絶対に行けるからって言われたり。
また様々な海外の釣り場に行かれている方もいっぱいいて、なんか誰でも行けるんだっていう気持ちになってきましたし、
海外への釣り旅のハードルも下がった感じで。
K:
なるほど。知っている釣り人たちが普通に海外へ釣りに行っていると何も特別なことではなく身近というか、
現実的なことと感じるようになってきたということですよね。
その後、ハワイ以外で海外へ釣りに行かれたりされたのでしょうか?
* 初めてのタイは釣り堀へ
Nさん:
ハワイに行った後にテルさんと会って、タイに行ったほうがいいって言われたのかもしれません。
それと自分としてもアマゾンへ行く前の練習として、まずはタイに行こうと思ったんですね。
K:
そういう方、割と多いですものね。登竜門的な感じでしょうか。
Nさん:
はい、はい。そうですよね。で、タイへ2回行きました。最初は、釣り堀で。
釣り仲間からタイのシゲさんという方を紹介いただいて、一人で訪ねて行きました。
K:
いいですね~ 素晴らしい! で、どうでしたか? 初めてのタイは。
Nさん:
そのシゲさんに釣りたい魚種とか、やりたいことを全部言って釣りまくりました。ほとんど寝ずに、寝ても10分睡眠とかで。
K:
ははは~ すごいですね~
* メコンオオナマズ
Nさん:
まさに弾丸ツアーな感じで。最後の日は寝ないでピラルクを狙ったのですが、眠い時は立ちながら寝るみたいな( 笑 )。
K:
タイの釣り堀は、ブンサムランとかを話でよく聞きますが、そちらへ?
Nさん:
メコンオオナマズを狙いにブンサムランへ行って、他にはピラルク、トーマン、バラマンディなどを釣るために各々別の釣り堀へ。
* ピラルク
K:
へぇ~! 2泊か3泊ですよね?
Nさん:
3泊5日だったと思いますね。5ヶ所まわりました。日本を夜中に出発して、タイに早朝着くので。
会社を2日休むくらいでOKでしたが、きつかったですね~
* バラマンディ
* バラマンディの料理
K:
その初のタイでの釣りですが、印象に残った魚ってありますか?
Nさん:
はい。この釣り堀タイ弾丸一人旅の時に釣ったトーマンがかっこいいなって思いました。
テルさんもブラジルへ行く前に、一度は釣っておいたほうがいい魚って言ってましたね。アジアのみんなが好きな魚種だからって。
* トーマン
K:
みなさん、そうおっしゃいますよね。引きも強いし、いいファイトをするって聞きます。
Nさん:
ファイトも面白いですし、何より見た目がかっこいいんですよね。顔つきや色とかも。
それと、ジャイアントスネークヘッドっていう名前も響きが好きなんですね。
最初は釣り堀で釣ったわけですが、2回目のタイは釣り堀ではなく自然の中でそのトーマンを釣りたいと。
K:
いい話ですね。釣り旅って、そういうように自分なりに夢が広がるというか。
ステップアップしていく楽しみってありますよね。で、2回目のタイはどんな釣り場だったのでしょう?
* 2度目のタイ、ダム湖にて
Nさん:
ダム湖でしたね。シゲさんに、これもお願いして。
K:
釣り堀はタイのバンコク周辺や郊外にたくさんあると聞きますが、自然の釣り場となると結構奥地だったりするのでしょうか?
それと、またお一人で?
Nさん:
シゲさんの勧めで、バンコクで飛行機を乗り換えてチャオランダムへ。そこは型のいいトーマンがいるということで。
少々費用は高くなりましたけど。そして、この旅も一人でした。
* ダム湖の風景
K:
へぇ~ その行動力と情熱! 素晴らしいです!
そのダム湖で釣ったトーマンがFacebookのプロフィール写真の魚なんですね?
Nさん:
はい!そうですね。
* トーマン
* カスープ
K:
一つ夢が叶って、よかったですね! そして、次の夢としてはアマゾンへ行きたい!っていうことですよね?
Nさん:
今年の冬も話はあったのですが、実現しなくて。
ツアーでなく、テルさんたちと行こうとすると、現地で人を雇ってキャンプしながら行かなきゃいけないので。
2~3週間休まないと無理なんですよね。
K:
ははは~ かなりハードル高いですよね~
Nさん:
そうですよね。何か、仕事辞めるタイミングとか。よほど無理しないと行けないので。今回は断念しました。
K:
残念!
この海外釣り人インタビューでは、よく海外へ行くための長期休暇をどう獲得するかということが話題になります。
転職のタイミングで次の仕事が始まるまでの数か月でアマゾンを旅したというような方も中にはいらっしゃいます。
ただし、そのほとんどの方は現役の会社員や自営業で、最初は苦労されながらもだんだんと長い休みが取れるように
工夫されてきた方ばかりなんですよね。私も、初の海外釣り旅でカナダに行く際には、半年前から旅直前まで会社の上司に
「夏、9連休します」って言い続けました( 笑 )。
Nさん:
そういえば、私の友人で銀行に勤めている方だったのですが、約1年前から上司に話をして行きましたね。去年、アマゾンへ。
K:
泣けますね~
ところで、アマゾンなんかは怖いとか、衛生面の不安とかないですか?特に女性の場合は。
Nさん:
基本、汚いとかは平気なので( 笑 )。
感染症などの病気や毒のある生き物、例えばヘビとか少し怖いですが。まあ、今はあんまり感じないですね。
K:
ははは~ いいですね~ まあ、そうじゃないと一人で海外とか、いろいろ行かないですものね。
次回タイミングが合えば、ぜひアマゾンに行けるといいですね。
Nさん:
はい!必ず行きます!絶対泣くって言われています。感動で。なので、周囲の方からは一度早く行きなさいって言われています。
それとみんな人生で一回行きたいって言うけれども、一回じゃない。それが始まりだって。
K:
なんか、かっこいいっすね!
いろいろと釣り旅を中心にここまでお話を伺ってきましたが、何かその他のことでも話しておきたいことってありますか?
Nさん:
そうですね。縁を感じるのは、私の父が本が好きだったんですね。もう他界したのですが。
で、家の本棚に開高健さんの「オーパ!」があったんですよ。小さいころだったので、何もわかっていないんですけど。
ピラニアの写真とかが載っていて、何故か毎日のように気になって。ぱらぱらめくって見ていたんですね。
K:
へぇ~ それって、いくつぐらいのころですか?
Nさん:
そうですね~ 記憶があるかないかぐらいですね。
K:
なるほど~ それは絶対入っていますね、潜在意識の中に。
Nさん:
漁師のピラニアとか、女の人が川で沐浴しているシーンとか。毎日見ていて、何となく覚えていますね。
父は釣りをする人ではなかったのですが、水辺と自然は好きだったみたいですね。
K:
いい話ですね~ それと開高さんの本や映像に刺激されて海外に釣りに行こうってなったのは、
今の40代後半から私のような50代の世代だと思うんですが、今野さんのようなケースがあるのって面白いですね。
Nさん:
父との血の繋がりもすごく感じますね。その「オーパ!」を実家で探したのですが、どうしても出てこないんですね。
で、自分で買わなきゃって思って、まだ買っていないですけど( 笑 )。
K:
ははは~ 買いましょう!自分で! アマゾンに行く前に。
今日は、楽しいお話をいろいろとありがとうございました!
完
<編集後記>
家族旅行をきっかけに釣りを始めることに。そして、ご夫婦で釣りにはまっていく。
さらにはお一人で海外へまで釣りに出かけるように。
その釣り人として試行錯誤しながら成長していく過程は、聞いていて楽しくとてもわくわくしました。
釣りの面白さって、時には教えてもらうことも必要かもしれないけど
自分で悩みつつも、あれこれとトライして開拓していくことなんだよな~って、改めて気づかされた思いです。
今野さん、ありがとうございました! そしてぜひブラジル釣行が実現しますように!
完