vol.11. 獲った!100kg超ピライーバ in ガイアナ

2015年04月05日

2015年04月05日 08:16

今回のゲストは、世界中で巨大魚・怪魚を釣られている" しげる "こと

沖山さん( 以下、Oさん:神奈川県在住 )です。



                      * 20年来の夢だった、巨大ピライーバ 。 ガイアナにて。 2015/2


沖山さんは、ネパールでガイドをされている森さんから、ご紹介いただきました。

* 森さん、ありがとうございます!

いつものようにカフェでインタビューをしたのですが、その前に待ち合わせ場所で

お会いして、カフェに行く道すがら、会話は既にスタート。その中で、「10日以上の

長期休暇を取られての海外釣行、すごいですね!」と問いかけたところ。

「風邪とか引いても、絶対に有給休暇は取らないようにしているんです」とのお答え。

まず、そこで爆笑してしまいました。

インタビュアー 工藤( 以下、K )             2015年2月17日



                          * 2匹目のピライーバとのファイトシーン ガイアナにて。 2015/3


K:

風邪とかで有給休暇とか取らないって、いいですね!

Oさん:

そうですね~ 熱とか出ても絶対に会社に行きますね。

K:

海外に釣りに行かれている回数と一つの旅の日数の長さから、思っていたんですけど。

よっぽど、特別な仕事というか。フリーランスとか、経営者とか。

Oさん:

建設会社の営業なのですけど、ノルマを達成しておけば、ある程度は融通が利くんですね。

現場だと難しいんですけど。

K:

それはいいですね~

今回、ネパールでガイドをされている森さんから、沖山さんを推薦するメールをいただいたんですね。

世界中を旅している、すごい釣り人がいるって。

その沖山さんが、人気ブログ(→「しげるの世界旅行釣行記 )の

あの " しげる "さんっていうことがわかって。びっくりしました。

ブログの方は、何かの検索で見ていたんですね。

で、お名前は沖山朝俊さんなのに、何で " しげる " なんだろうって?

Oさん:

10年前からそう呼ばれていて。私の仲のいい友人が、お前 " しげる "っぽいから

" しげる " にしようって。本名の" 朝俊 "って呼びにくいんですよね。

K:

ははは~ そうなんですか~

ところで、この6~7年間は、相当の頻度で海外に釣りに行かれてますよね。

釣りとの関わり合いとか、大物の魚を求めて海外に釣り行くきっかけとかから、教えていただけますか。

Oさん:

もともと釣りをするようになる7年前までは、海外とかに出たくなくて。

できれば国内で過ごしていたいという人間だったんですね。

K:

ええ~ マジですか! 今どきの若者みたいじゃないですか( 笑 )。

Oさん:

すごいオタクだったんですよね。秋葉原とかによく行っていて。メイド喫茶とかに毎日いるとか。

K:

ははは~ 面白いっすね~ 何で、それが激変したのでしょうか?

Oさん:

きっかけなんですけど。僕に " しげる " という名前をつけた友人が結婚しちゃったんですね。

それまで、ずーっと一緒に遊んでいたんですけど。遊んでくれなくなっちゃって。

K:

奥さんに取られちゃったわけですね( 笑 )。

Oさん:

そうですね。

彼はオタクではなかったんですが、僕が連れまわしていたんですね。

奥さんに若干嫉妬しつつも、どうしようもなくて。で、他に趣味見つけようかなって。

そのタイミングで、僕にも彼女ができて、海外に行こうという話になったんですね。

K:

はい、はい。面白い展開になってきましたね。

Oさん:

それがタイだったんです。で、バンコク郊外のブンサムランというところに釣堀があるので

一日だけ釣りをしたいと自由時間をもらって。前々からテレビとかで見たことがあって、

行ってみたいなと思っていたんですね。



                       * ブンサムランの入り口


K:

それで、楽しい釣りができて、はまったとか?

Oさん:

ところがですね。レンタルタックルでやっていて、魚が掛かってもブチブチ

切れるんですよ。50kgや100kgの魚が釣れると期待して行ったのですが。釣れるのは、20kgとかで。



                     * ブンサムランの風景


K:

タックルが耐えられないんですね?

レンタルのものは、安っぽくて、あまりいいものはないですものね。

Oさん:

そうなんですよ。それで一日釣りして、終わったわけですが悔しくて、悔しくて。

ガイドにどうすればいいかを聞いたたら、GT( ジャイアントトレバリー~ロウニンアジ )用の

ロッドやライン、リーダーなんかを揃えるといいと教えてくれたんですね。

K:

ほ~ で、それを日本に帰ってから買うことになるんですかね?

Oさん:

そうですね。タイ旅行から帰ってきて、早速、パソコンで調べて必要な道具を次々に

クリックして購入しまして。これで揃ったなというところで、そのタイのガイドに

すぐ連絡しまして。「来週行きますんで、よろしくお願いします!!」って。



                     * ブンサムランでのファイトシーン 2010/5


K:

うひょ~ そ~れは熱いっすね~!!

いてもたってもいられなかったという、悔しくて。でも、連続でよく休めましたよね。

Oさん:

まあ無理すれば、金土日で行って帰って来れますからね。

それで、38時間連続釣行というのをやって。ブンサムランに着いたら、竿をず~っと出し続けるという。

でも、数はたくさん釣れたんですけど、大物はあまり釣れなくて。

また、その一か月後に行って。そんなことを続けていました。



                     * パーカーホ ( タイ ) 2014/8



                        * メコンオオナマズ( タイ ) 2012/6


K:

ほ~ すごい、はまりようですね。

Oさん:

そうやっているうちに、魚や釣りのこととかをだんだんと勉強するようになって。

ネットで画像検索すると世界の魚の写真とかがいろいろと出てくるんですね。

最初は、こんな魚もいるんだなくらいだったんですが。

だんだん洗脳されてきて、気が付いたらカザフスタンにいた!みたいな・・・



                     * カザフスタンロッジ 2009/5


K:

ははは~ カザフは何を狙いに行ったのですか?

Oさん:

ヨーロッパオオナマズですね。

タイには、メコンオオナマズを釣りに行きましたが、ナマズが好きなんですよ。

わ~ 気持ち悪~とか、わ~ 何これ~という魚が好きで。

2mオーバーの魚もいるということで、行ったのですが、そこまでの大物は釣れませんでしたが。

K:

そんな大物もいるのですね。河川で釣るのですか?

Oさん:

バルハシ湖という湖があって、産卵期になると川のデルタ地帯に降りてくるんですね。

それを狙って釣りするっていう。でも、ちょっと季節が早すぎたようで。



                     * イリデルタの夕日 2009/5


K:

でも、それなりには釣れたんですよね?

Oさん:

いや~ 渋かったですね~ これ、日本のナマズやんけっていうサイズで( 笑 )。

大きくて、30kgぐらいで。

それと、行く前日に彼女に浮気がばれて、その彼女に「カザフスタンに行かないで!」

って言われて、「いや、ちょっとナマズ釣ってくる!」というような事件もあったり・・・



                         * この旅最大だった、ヨーロッパオオナマズ 2009/5


K:

ぎゃはっ、はは~ ( ここ笑っていい場面かなって、思いながらも爆笑してしまいました )

Oさん:

彼女には、「帰ってから、真剣に話し合おう」って言って、釣りに行ったんですけど

あまり、いい釣りができなくて。やはり、バチって当たるんだな~と( 笑 )。



                     * ロッジの夕食( 主にロシアっぽい料理 ) 2009/5


K:

沖山さん、面白過ぎです! ところで、釣り方にはこだわりとか、あるのでしょうか?

Oさん:

いや、何でもありですね。その魚を釣るのに最適な方法を選択するという。

フライ、ルアー、エサ釣り、何でもやりますね。



                      * まだまだ小さい 2009/5


K:

オオナマズは、何釣りなんですか?

Oさん:

ぶっこみですね。エサつけて、おもり付けて。カザフでは、ルアーでエサにする魚を釣って、ぶつ切りにして。

それを針につけて、流れの間に落として待つっていうやり方で。



                             * ジェリフ ( ナマズの餌 ) 2009/5


K:

ブログを見ていると、巨大な魚ばかりじゃないですか。

そんな渋い状況のときもあったなんてイメージできないんですよね。

Oさん:

いや~ 始めたころは本当に渋くて。釣りって難しいな~って思いました。

海外行けばでかい魚が釣れると思うじゃないですか。メディアとかでは、いい写真しか出ていないですからね。

それにまんまと騙されて。これが世界か!現実は甘くないと( 笑 )。

K:

あ~ わかりますね~

私も雑誌や本などで巨大なサーモンやトラウトの写真を見て憧れて「いつか行って、釣るぞ!」って思って。

初めてカナダに行ったときは40cmクラスしか釣れなくて。これ、日本でも釣れるサイズじゃんって、

がっくりしたり。で、カザフへの釣行の後はどちらへ?

Oさん:

カザフから帰ってから、3~4カ月後に今度は、モンゴルにタイメン( アムールイトウ )

を釣りに行きました。そのときは、爆釣だったんですね。それで、完全にスイッチが入って。



                       * この旅最大の115cm、タイメン。モンゴルにて。 2009/9


K:

いいですね~

私は、サハリンにイトウを釣りに行ったことがあるのですが、そこのイトウは北海道のイトウと

同種だと聞きました。一方、シベリアで、メインはサクラマスだったのですが、

小さいながらタイメンも何尾か釣りました。北海道のイトウとは、顔つきとか、形態とかも違いますよね。

Oさん:

海には出ない完全な陸封型の魚で、色も黒いし、頭もでかいし。顔つきも違うし。全然、別物ですよね。



                       * タイメンは、激流にいる 2009/9


K:

タイメンの釣り方は何だったのでしょう?

Oさん:

ルアーですね、プラグ系の。トップウォーターで、すごい出るので。夜中とかに川に行って

ルアーを投げて、ぽちゃぽちゃと動かしていると、ズボッって出るんですね。



                       * 現地で知り合ったテキサスの父( ファビアン ) 2009/9


K:

なるほど~

ところで、モンゴルのタイメンなんですけど、最近は数が減って、中々釣れないとか。

また、フライオンリーが主流で、ルアーで釣りができる川があまりないような話を聞いたことが

あるんですが、どうなんでしょうか?

Oさん:

ルアーで釣ることができるところは、たくさんありますよ。

元々、日本人がタイメンを知るきっかけって、開高健さんが「オーパ、オーパ!」

とかで紹介したことですよね。その開高さんが釣ったのは、チョロート川という川で。

そこへ釣りに行きたいっていうのがあるんですよね、みなさん。

そのチョロート川なんですが、上流の方で鉱山開発がされて水質が悪化しているんですよ。

また、開高さんの行ったポイントが有名になって。現地の人も釣るし、外国の方も

釣りに来るということで、結構場荒れしてるんですね。いることはいるんですけど。

あと、川幅が狭いのと、周りにまったく森林がないので、水を含めない。

雨が降ると土砂が川に流れこんで濁ってしまって、いいシーズンに釣りにならない

ということが起きる。いい釣りができるかは、運みたいなところがあって。

チョロート川にこだわらなくても、ロシアの国境地帯に行けば、いろんな川があって。

まだたくさん釣れるんですね。ただ、メーターオーバーとかを狙おうとすると、

やはり場所は限られていて、奥の奥へ行かなければ釣れないんですけどね。



                        * 現地のモンゴル人インケとウォッカ 2009/9


K:

貴重な情報ありがとうございます。私も一度は行きたいと思っているので。



                     * こちらは、ノーザンパイク。モンゴルにて。 2010/6



                     * 草原に立つゲル、モンゴルにて。 2010/6


K:

モンゴルでタイメンを爆釣して、はまって。

で、立て続けに、海外へ釣りに行っているっていうことですね。

すごい回数行っていますが、年に2回くらいのペースなんですか?

Oさん:

この7年間、釣りしてきたのですが、平均で年に4~5回ですね。

タイに重点的に行っていたのも入れてですが。タイとかは3~4日間ぐらいで行けるので。

長期間の釣行は年に2回くらい行っていたんですけど。最近は、結構もっと頻繁に行っていますね。

K:

会社の中では、もう私と同様で、長期休暇を取って海外へ釣りに行く奴という認識というか、

理解をされていると思うのですが。私がよく聞かれる質問に、「独身ですか?」っていうのがあって。

で、私が「結婚もしてるし、子どももいますよ」って答えると、

よく家族が理解してくれることに驚かれたりするんですよね。ところで、沖山さんは独身なんですか?

Oさん:

はい。独身です。

K:

いいですね~ 自由で。私も相当、自由ではありますが( 笑 )。

でも、いまだに会社員でドカーンと10日間とか休み取る人とか少数派だったりしますよね。

みんな、何を遠慮してるんだろうな~って思うんですよね。

まあ、私も初めて行ったときは、会社の上司に言うのに緊張しましたけど。

一度、行ってしまえば、後は楽で。そういう奴なんだってことになって。沖山さんは、どうでしたか?

Oさん:

いや~ 一週間の休み取るの、最初は怖かったですね。

行く4カ月前くらいから、こういうところに行きますって、酒の席で言い続けるんですね。

K:

ははは~ まったく、一緒です( 笑 )。

でも、意外にみんな覚えていないでしょ? 年配の方ほど、そうじゃないですか?

Oさん:

そうなんですよね~

K:

数か月前から、言い続けて。ひと月前にダメ押しで、「アラスカにサーモンを釣りに来月のいついつに

行きます」って言うと。「え~、そうだっけ」って言われて、椅子から落ちそうになったことがあります( 笑 )。

Oさん:

ははは~ わかります~

で、そんな感じでスタートして、徐々に会社の中で認知してもらって、こいつは絶対言うことを

聞かないなっていうところまでいかせて。最初は8日間、そして10日間、今では2週間休み取って行きます。

K:

いいですね~ 

私も何年も続けていると、会社の中でも、取引先までも「次はどこへ行くんですか?」

とか、行ったら行ったで「どうでしたか? 話、聞かせてくださいよ」って

言われるようになって。そこまでくれば、しめたものかなって( 笑 )。

Oさん:

そうですよね~

まあ、そうやってまで長期休暇を取って釣りに行くのはやはり、若いときしか、奥地とか入るような

ハードな旅ってできないじゃないですか。それに、環境の悪化で魚も減っていくんじゃないかと。

だから、今行くしかないって。釣り始めから、この10年くらいに難易度の高い魚から

釣っていこうと思っているんですよね。

一通り釣りたい魚を海外で釣ったら、あとは国内でフナとか、

アジ釣り職人になるかな~って。やらないでしょうけど( 笑 )。

K:

その若いときしかないって、思うのはわかりますね。

自分もそうでしたから。でも、意外に50歳過ぎのオジサンになってもそこそこは行けますよ( 笑 )。

で、モンゴル含め、以降はどの辺が印象に残っていますか?

Oさん:

モンゴルは、釣り始めのころということと、魚も釣れたこともあって。

また、現地のガイドとすごく仲良くなって、その後も毎年行っていたんですね。

モンゴルと、あとはネパールですね。各々4回行きました。

いろんなトラブルもありながら、魚を獲っていくという冒険的なやりとりが好きで。

ネパール、モンゴルは別格ですね。

K:

モンゴルはイメージわくのですが、ネパールって、今一つイメージがわかなくて。

どうなのでしょうか。「海外釣り人インタビュー vol.8」登場の村椙さんからは

少し話を聞きましたが。ゴールデンマハシール( または、マシールという呼び方も )という魚の話とか。

Oさん:

最初は、インドの方で、マシールを釣ろうと思ったいたのですが、

サイトで検索していて、日本語サイトが出てきて、彼( 森さん )に連絡したんですね。

そしたら、特別価格でやるから、ぜひネパールに来てくれということで。

で、初めて行って釣れたんですね。でかいのが。



                      * まさにゴールデン! 2012/11



                     * ラフティングしながら  2012/11



                     * 16kgの巨大マシール こちらは、2014/5


その1年後に「夢釣行」というテレビ番組があって、またネパールに行ったんですね。

そしたら、見事に釣れなくて。どしたの?っていう感じで。3尾くらいしか、釣れなくて。

K:

沖山さんがアングラーで番組に出演したってことですよね。すごいな~

Oさん:

はい。でも、本当に釣れなくて。お祓いとかしてもらったり( 笑 )。これなんの番組なんですかって、感じで。



                     * グーンシュ 2014/10


それから、マシール以外では、グーンシュ(ジャイアントバガリウス)っていうナマズがいまして。

ヒマラヤ水系にいるめちゃめちゃ大きいナマズで。それを獲るために、何度かネパールに行きましたね。

その番組以降で去年2回。計1カ月半くらいの日数をかけて。



                     * テントに泊まる 2014/10


山奥に入って。先住民族の村の麓にテント張って、現地の漁師を雇って

エサを獲ってもらって。ずーっと、狙ってたんですが、1回目は全然釣れなくて。

毎日、何やってんだろうな感が激しくて。食事は、ひたすらカレーだし。ネットも繋がらないし、

これどうすんだって。去年の10月行ったときは、そこそこ釣れましたけどね。



                        * 毎日カレー ・・・ この写真は、 2012/11


K:

確かに冒険的っていうか、冒険ですね~

モンゴルやネパールは別格というのが、何かわかります。他に、まだ行きたいところってありますか?

Oさん:

コンゴですね。2回行こうとして、失敗しているのですが。

1回目は、行く一週間前に武装集団が行こうとしたロッジを襲撃してロッジがなくなっちゃって。

で、ロッジのオーナーが金持ってとんずらして。次の年に行こうとしたら、今度はエボラが流行して、

会社からストップかかって。その行けなかったタイミングを急遽、モンゴルやネパールで埋めるって感じで。

K:

秘境って新興国にあるケースが多いから、政情や治安の不安とか。いろんなリスクありますよね。

今だから、笑って話されていますけど。行っているときに襲撃されていたらって考えると、ぞっとしますよね~

Oさん:

そうですね。怖いですよね~

K:

ちょっと話は変わりますが、先程、オタクだったって仰ってましたが、釣りは大人になってからなんですか?

Oさん:

子どものころ、岡山に住んでいて。まわりは田んぼや川しかないようなところで。

暇さえあれば、用水路とかで魚を網で獲ったりとかしていました。

たまに、単身赴任をしていた父親が家に帰ってくると一緒に山にカブトムシを獲りにいったりとか、

川で魚を網でガサガサしにいくとか。そういう遊びを教えてもらいましたね。

普段は一人遊びで、ずーっと、そんなことをしていました。

K:

やっぱり、そういう原体験があったんですね。

僕も生きものが大好きな少年で、東京に住んでいましたが、同じように昆虫やカエルや魚を

捕まえることに明け暮れていましたから。

Oさん:

そうなんですね。

子どもの頃はそんな感じだったのですが、大学上がるときにこっちへ来たんですが、

そういった自然もないし。オタクになるしかない、みたいな( 笑 )。

K:

はは~ 面白いっすね~

ところで、アマゾン( 国は、ガイアナ )の方へ来週から行かれるとのことですが、初めてなんですか?



                      * テレスピレス川の様子( ブラジル ) 2011/1


Oさん:

いえ、今回で4回目ですね。

2011年に初めて行きまして。ブラジルの方のテレスピレスという川なんですが。

すごいナマズが釣れるという話を聞いたので。でも、あんまり釣れなくて。



                     * ジャウー テレスピレス川にて。 2011/1


そこには、ピライーバという南米で一番大きいサメみたいなナマズがいて

それを釣りたかったんですね。このときは、結局釣れなかったんですけど。



                     * レッドテール テレスピレス川にて。  2011/1



                     * 何を食べてもうまい テレスピレス川 2011/1


その後何度か、ナマズ以外の魚を釣りに南米へ行っていまして。

それから、2013年にガイアナっていうところに行ったんですね。

そうしたら、ナマズがいるは、いるは。めっちゃ、釣れるんですよ。

ピライーバも釣れたんですね。でも、そんなに大きいサイズじゃなくて。



                       * ジュンジアー  ガイアナにて。  2013/11


で、今回、大きいピライーバを釣ろうということで、ガイアナへ行こうと。

2週間かけて、ガチンコで釣ってこようかなと思って。まあ、内心では釣れたらラッキーくらいですけど(笑)。



                       * セスナからの眺め95%が森林  ガイアナ 2013/11


K:

ガイアナって、ブラジルの上( 北 )に位置している国と聞きましたが、やはり自然が豊かなんでしょうか?

Oさん:

そうですね。

最後の秘境じゃないですかね。ピラルクもたくさんいるし、ナマズもたくさんいるし。

南米って川によって魚の種類が変わってくるんですが、ガイアナは一つの川、ポイントで

いろんな魚が釣れるんですよね。とにかく、すごいんですよ。



     * 10kgの巨大カショーロ ガイアナにて。 2015/3 インタビュー後の釣行の写真をいただきました。( 下の写真も同様です )



                       * エイの仲間  ガイアナにて。 2015/2


今、 " ガイアナが熱いぜ! "っていうことで、欧米人のアングラーがたくさん行ってますね。

K:

世界の熱い釣り師たちが!!

Oさん:

" マジ、やべ~ぜ!! "って感じですね。

フェイスブックとかで、ガイアナの写真とかアップしたら、メッセージとか外国の方とから、

めっちゃ来ますから。ガイドを紹介してくれとか、どうやって釣ったのかとか。

そういう交流とかで、日本では知りえないポイントとかを、お互い持っている

カードで情報交換していくんですよね。

K:

それも、面白いですね~ 話、変わるんですけど。海外の秘境に釣りに行くという経験って

そう行く人は自分の周囲にいないので、聞きたがる方も多かったり。

あるいは、飲み会のときとか、いい話題提供ができたりとかするのですが。沖山さんは、どうですかね?

Oさん:

それはありますね~ 仕事関係の方々との会話のネタになったりもするし。

自分の話とかを豊かにするというか。経験のない方に受ける話ができたりとか。

お金はかかるわけですが、そういう意味では、全然安い買い物だなって思いますね。

K:

そうですよね~

また、ちょっと、別の質問をしていいでしょうか。すごいペースで海外釣行へ行かれていますが、

今度のガイアナを含めて今後はどんな釣りをしたいと思っていますか?

Oさん:

僕の中で、一つの区切りがあるんですね。35歳という。

今、34歳なんですが、35歳までにあらかた釣りたい魚を釣ろうという。

だから、僕には " 時間がないんです!!"

K:

何か笑えます。すみません( 笑 )。何で、35歳なんですか?

Oさん:

やはり、結婚しないといけないという可能性もありますし。

結婚して、子どもができたりとかを考えると。まあ、子どもできても、僕は行きますけど。

K:

年に4回は無理じゃないですかね~ ( 笑 )。

Oさん:

年に2回くらいかな( 笑 )。

それにしても、今のライフスタイルが崩れてストレスとか感じると思うんですね。

だから、ここまでにとか。ストッパー、壁をつくって。そこにたどり着いて、結構満足!もうお腹いっぱい!

っていう状態にしておきたいんですね。

K:

面白いな~

Oさん:

この話を友人にすると。「しげるちゃん、それ嘘だよ。その先があるから」って言われますけど( 笑 )。

まあ、釣りたい魚はかなり獲れたんで。後、釣りたい魚は4~5種類。

これからの約1年半、とにかく全力でやりきろうかと。

K:

その4~5種類の魚って、どんな魚なんですか?

Oさん:

一つは、2回梯子をはずされたコンゴのゴライアスタイガーですね。

結構、最初から狙っていて。ロッジが襲撃される4年前から現地とずーっと

やりとりしていて。で、やっと行けるとなったらだめで。めっちゃ、やさぐれましたね。

K:

ははは~

Oさん:

お金は還ってこないし。僕、その魚を剥製にしたかったんですね。なので、飛行機のルートとかも、

これだったら、魚を腐らせずに行けるとかを計算したり。だから、多少エア代が高くなっても、

こっちかな~とか考えて。それも含めて、全部飛んじゃいましたからね。

で、コンゴに行けなくなったので、すぐにモンゴルに行先を変えましたけどね。

K:

やさぐれている場合じゃないと( 笑 )。

Oさん:

で、モンゴルに行ったのはいいんですが、着いたら現地のガイドが

「俺、結婚するかもしれない。お見合いに付いてきて」って言うんですよ。

おいおい、2週間釣りするって言ったやん。

2週間の中で釣りを9日間にして、残りの数日を俺にくれ、みたいなこと言われて。

なんや、それって。じゃあ、魚釣れたら行こうぜって。



                     * ゾリグと見合い相手  2013/8


K:

2週間休みとって、移動にも時間かかるわけだから、その数日は大きいですものね。



                     * 巨大タイメン  モンゴルにて。 2013/8



                      * 親友ゾリグと  2013/8


Oさん:

でかいですよ~!幸いでかいタイメン釣れたから良かったですが(笑)。

話ちょっとそれましたが、あと釣りたい魚としては、パプアはまだ行ってないんですよね。

パプアンバスを釣りたくて。あとは、ロシアのカルーガっていうチョウザメ。

それぐらいですかね~ その他は、ちょっと思い出したら獲っていくっていう感じですね。



                      * 沖山さんが釣りたいと言う、コンゴのゴライアスタイガーの剥製


K:

これは、すごい!! こんな魚がいるんですね!!

Oさん:

この写真の魚は1981年に釣られた魚で。僕、1981年生まれなんですね。

今、同い年ってわけで。魚は、釣られるまで生きていたので、生きていたら

もっと高齢ですが。これを無理を言ってベルギーのエージェントから買って。

今、お守り変わりに家においてあるんですね。で、これを獲りにいくことを目標に

日々修行しているっていう。メンタルの修行みたいな。

K:

ははは~ 心の修行ってわけですね。それにしても、剥製買っちゃうところがすごい。

Oさん:

運を引き寄せないと、と思って。釣りなんて、基本的には運ですからね~

多少のテクニックとかはあるかもしれないけど。8割は運、2割は準備ですね。

K:

運の良し悪し、ありますよね~



                     * タンザニアタイガー  タンザニアにて。 2011/9


Oさん:

最初の3年間とか、いい釣りができないころ。よく泣いていたんですよ。悔しくて。

夕日とか見ると泣くみたいな。最近は、そういうのは無しでいこうと。悟ったというか、ちょっと大人に

なったというか。そういうときもあるよって。また行けばいいしって。

K:

最初の頃って、釣れないと打ちひしがれますもんね~

でも、4回、5回と回数重ねてくると、そういう心境になってきますよね。



                     * アイマラ  フレンチギアナにて。 2012/3


Oさん:

僕の話を聞いて、海外行きたい、連れてって言われることがあるんですね。

それで、彼らの行くまでのわくわく感とか、ものすごい伝わってくるんですよね。

何、このギャップ!って。この温度差はどっから来るんだろうって。

いらんで!そんなタックルっていうのを買っちゃったり。

そういう彼らを、連れていった場所での釣果がよくなかったときの

ものすごい悲しそうな顔とか。申し訳ない!みたいな。

K:

かわいそうだけど、こればっかりはしょうがないですよね~

ところで、沖山さんはこれだけ海外へ行っていると何等か危険を感じるとか、怖い経験ってされていませんか?

Oさん:

運がいいのでしょうね、あんまり、ないんですよね。

一回だけ、ひやっとしたことがありますが。ウルグアイに行ったときなんですけど。

ダム下でドラードがたくさん釣れる場所があるって言うんで。行ったんですね。

ダムに排水溝みたいなのが、ずーっと横にあって。トンネルみたいなのが何個かあって。

ガイドが、このトンネルの中に入ったら、すごい釣れるからって。

トンネルの奥の方に行くと、確かに釣れるんですね。ただ、真っ暗なんですよ。

で、釣れても魚も見えないし。もう帰ろうぜって言っていたときに、放水が始まって。

水がカーテンみたいに、ざーっと来て。マジ、死ぬかと思いましたね。



                       * ドラード  ウルグアイにて。  2012/2


K:

怖いですね~ 大丈夫だったんですか?

Oさん:

幸いゆるい放水だったので、そのままボートのエンジンかけて、ばっと出ていったので

大丈夫だったんです。めちゃ怖かったですけど。あとは、川に落っこちたりとか。

そのくらいですかね~ 怖かったのは。

K:

それはよかったですね。

私は、カナダで熊にばったり出会い頭でお見合いになっちゃったとか。

いくつか死ぬかと思ったことがありますが。事故や動物も怖いんですが、もっとも怖いのは

" 人間 " だと思いますね。一度ある国の山奥で、自動小銃を持って武装した男達に

車を囲まれたことがあって。それが一番怖かったですね。幸い、すぐに解放されたのですが。

( 海外釣り旅のリスクについては、海外釣り旅Q&Aの8番を参照ください )

Oさん:

そうですよね~ 人間が一番怖いですよね~ 騙されないようにしないと、とかもですよね。

K:

ところで、ガイアナはもう来週ですよね。直前でばたばたしている感じですか?

でも、もう準備とかは馴れたものなのでしょうね?

Oさん:

まだ何にもしてないですね。持っていくものは限られているし。

ナマズしか釣る気ありませんしね。ピラルクとか釣れるんですが、狙うつもりはないし。

前回行ったときに、たくさん釣ったから、もういっかなって。



                        * ピラルク  ガイアナにて。  2013/11


何回も同じ魚を釣るのって、あんまり好きじゃなくて。自分の中で目標を定めたサイズとか、

その一匹が獲れれば、もうあとは釣らなくていいと。

K:

沖山さんなりのゲーム感覚なのでしょうね。

僕は、今後はどうかわかりませんが、今まで同じ場所に行ったことがないんですね。

今まで、インタビューした方の中には、同じ場所に何度も通いつめるのが好きという方もいますしね。

それから、よく思うのは、釣りたい魚を釣ったとき。それはそれで嬉しいのですが、

次どうしよ~って思うんでよね。目標が無くなっちゃうって。でも、次に釣りたい魚は出てくるんですよね。

Oさん:

そうそう。世界は広いから。次の目標が出てくるんですよね。

K:

だいたい、お聞きしたいことは聞いたのですが。あといつも、みなさんに聞いているのは、

「あなたにとって、海外釣り旅の魅力ってなんでしょうか?」って、ことなのですが、どうでしょう?



                      * アリゲーターガー  テキサスにて。 2012/8


Oさん:

自分が一番、素直になれることでしょうか。

人に対しても。日本にいると喜怒哀楽とか、やはり、社会の中にいるとあんまり出さないことが多くて。

それが、解放されるっていうか。子どものころに戻ったような無邪気さとか。

素直に感動したり、怒ったり、悔しがったり。

違う意味でストレスはありますが、日本で感じるようなストレスはなくなりますね。

さっき、工藤さんが言われたように、浄化されるみたいな気持ちはすごくあります。

( 会話の流れの中で、私の場合、海外釣り旅に行って帰ってくると、心がリフレッシュされるというより、何か普段の日常生活の中で心に溜まっていた淀みや垢が洗い流される。すっきりと浄化される感覚だという、お話をしました )

K:

そうなんですよね~ 日本にいるときは、常に何かを気を使ったり、考えたりとかしていますからね~ 

それが日常ですものね。

Oさん:

それと、とてもシンプルな毎日じゃないですか。

朝起きて、メシ食って、釣りして、疲れて、帰ってきて、飲んで、酔っ払って、寝る。

というように。その繰り返しで。気づいたら、え~こんなに日にち経ってるんだって。

時計もつけてないから、何時かもわからなかったり。

人間の体が欲していることをするっていう。そこが好きですね。



                      * ナイルパーチ  エジプトにて。 2013/5


K:

なるほど~

あと何か、これから海外へ初めて行こうと考えている方や

行こうかどうか迷っている方へ何かメッセージとか、ありますか?

Oさん:

そうですね~

普通の釣り人が持っている感覚って、あんまり持っていなくて。

釣り道具は何でもいいし。釣り方もどうでもいいし。そのときに行って、運よく魚が出てくれればいいし。

このインタビューが記事になって、サイトに載ったとして。

ポリシーとか全然ないから、アングラーの共感を得られないところが多々あると思いすが。

海外に行きたいけど、行くのを若干躊躇している方もいると思うんですよ。そこは色々と彼らなりの考え方や

事情などあると思うんですが。とりあえず行ってみて、経験して。それから考えればって。

肩の力を抜いて、行ったほうが魚も釣れるかもしれないし。いろんな人にも出会えるし。

それと、日本人って、ストイックだから行っちゃうと釣りがんばっちゃうじゃないですか。

釣れないよってガイドが言っている時間に、「いや、その~ もしかしたら釣れるかな~」

って、がんばっちゃう。で、一番釣れるいい時間帯に疲れて釣りできないみたいな。

そういう方、結構見てるんで。



                      * キングサーモン アラスカにて。 2011/7


K:

僕も、そういう方、結構見ていますね~

無理をすると、結局楽しめなくなっちゃう。もったいないですよね。

初めての方とか、1~2回目の方に多いかもしれませんね。

Oさん:

気が張っている時はいいですが、気が抜けた瞬間に熱出して、動けないとかね。

自分の限界値とかを知っておくのは大事ですよね。

K:

初めて行かれる方によく言うのは、とにかく無理しないこと。

秘境は病院とか、ないですから。2~3人の仲間同士で来ている方が多いのですが、

その中の一人が具合悪くなると周りに迷惑や負担かけますしね。

Oさん:

それと、ガイドの言うことをよく聞くのも大事ですね。僕、めっちゃ聞きますよ。

この時間は魚釣れないから、昼寝しておけ。はい、寝ますとか。

今から、メシ作るから、あっちで釣りしてろ。はい、釣りしてますとか。

この薪、割っとけ。はい、割りますとかね( 笑 )。



                        * 薪割 2009/9 モンゴルにて。


本当に、言うこと聞きますから。

そこの川は、それ以上はいるな!って言われて。深場に入って、ワニ来るみたいな( 笑 )。

K:

ははは~ そこ、一番聞かなきゃいけないとこじゃないですか( 笑 )。

いや~ 本当に面白い数々のお話、ありがとうございました!

それでは、ガイアナ、気を付けて行ってらっしゃいませ!!

<編集後記>

オタクから、世界中を股にかけて、縦横無尽に活躍する釣り師に大変身!

その釣りにかける熱い情熱、かつユーモア溢れるお人柄。

わくわくしつつも、笑いっぱなしのインタビューでした。

沖山さん、改めて、ありがとうございました!!

また、インタビュー直後に行かれたガイアナ釣行で、見事に強運を

引き寄せて、20年来の夢だったという巨大なピライーバを釣り上げた

という報告をいただきました。おめでとうございます!!

せっかくなので、その記念すべきピライーバを抱えた写真をTOPに掲載、

また記事タイトルにも採用させていただきました。

" しげる " さん、35歳まで、全力で駆け抜けてください!!

ただし、ガイドの言うことをちゃんと聞いて、慎重に( 笑 )。


戻る